今回は僕が最強フリーソフト「GIMP」初心者だった頃に、速攻でつまずいてしまった画像・レイヤー・キャンバスなどの基礎知識について語ってみる。
GIMPでフリー素材をレタッチする時、もっとも頻繁に行う作業のひとつにイメージの拡大縮小がある。
ここでは”画像”ではなく、あえて”イメージ”という言葉を使うことにする。GIMP初心者にとって、この"画像"という概念は少々ややこしい。
1.レイヤーサイズだけ変更(拡大/縮小)する

こちらの素材(800×500px)をキャンバスサイズは変更せずに、レイヤーのみ拡大縮小する方法。

メニューの「レイヤー」→【レイヤーの拡大・縮小】を選択する。

ダイアログが表示されたら「幅800px・高さ500px」の画像を「幅400px・高さ250px」に縮小する。赤矢印の鎖マークが連結状態になっていれば、幅と高さの比率がキープされる。
ダイアログ上で、任意のサイズを設定したら【拡大・縮小(s)】をクリックする。

幅と高さを1/2にしたので、画像サイズは1/4に変更された。
背景の市松模様は、800×500pxのキャンバスである。GIMPにおける画像サイズとは、このキャンバスサイズがイメージ編集領域の最大値となる。
2.レイヤーサイズの変更とは?
念の為、【レイヤーサイズの変更】と【レイヤーの拡大・縮小】の違いについても説明しておく。

こちらは【レイヤーサイズの変更】で「幅400px・高さ250px」に縮小した結果。イメージスケールは維持され、レイヤーサイズが1/4に変更される。
イメージのオリジナルサイズを保ったまま、トリミングした状態。
※レイヤーサイズ変更後の位置はオフセット値で変更できる。作例ではデフォルト(x:0 y:0)になっている。
キャンバス外は編集(変更)できない?
GIMPは画像素材を編集・レタッチするツールである。その際、作業台の役割を担うのがキャンバスと言っていい。
基本的に最初に取り込んだ素材と同サイズのキャンバスが自動的に設置される。あまり気にする必要はないが、すべての素材はキャンバス上に展開されている。
たとえば100(px)✕100(px)のキャンバス上に、500(px)✕500(px)の画像(レイヤー)を読み込んでも編集可能領域は100(px)✕100(px)内となる。キャンバス外の要素であっても、移動やサイズの変更などの操作は可能。
ちなみにキャンバス(カンバス)は一般的に絵画における支持体(木枠に帆布を張ったもの)を指す用語である。
画像はレイヤーでもキャンバスでもない?

GIMPにおける画像とは、レイヤーやキャンバスなど全ての要素を含んでいる。
僕がGIMP初心者だった頃、4つのフリー素材を分割して並べるだけでもとても苦労した覚えがある。
その原因は、 レイヤー と 画像 を同等のモノと解釈していたせいだ。ここは多くのGIMP初心者がつまずくポイントかもしれない。
先程解説した方法でレイヤーを縮小すれば、イメージを並べるのは比較的簡単な作業だ。
_ところが!?

意図せず、メニューの「画像」→【画像の拡大・縮小】を選択し、先ほどと同じように「幅400px・高さ250px」に縮小した場合。
こうなるでゲス。

キャンバスサイズを含む全ての要素(レイヤー)が、「幅400px・高さ250px」に縮小される。
「キャンバスサイズは変えずに、画像だけ小さくしたかったのに;;」
ここでいう画像とは、レイヤーを指している。
GIMPワケ分からん_ってなってしまった。
結局当時の僕は、まず4つの素材をそれぞれ縮小し一度保存。新たに800×500pxのキャンバスを開いて、そこに再度素材を取り込んで並べていた、、、よっしゃ!?
今なら1~2分で終わる作業に、10~20分かかっていたわけだ。
GIMPは使いにくい;;
ヤフー知恵袋の質問:「画像の拡大縮小をしようとするとレイヤーではなくてキャンパスの方が拡大縮小してしまう?」
実はこの手の質問ってよく見かける。
今回の記事のテーマがまさにそうなんだけど。
要するに、GIMPが取り扱う画像とレイヤーの違いが分かっていないのが原因。本当にちょっとした事なんだけど、知らないとハマる。
何事も基本が大事って、今更ながらに思う。